ハードオフのジャンクコーナーで一眼レフのフィルムカメラとズームレンズ(SIGMA)を購入した。
2つ合わせて1000円(税抜き)
ボディは30年前に売り出されたMINOLTA α7700というモデルで、当時は8万5000円だったらしい。ずっしりと重厚で、存在感がある。
このブログを書いている時点で購入してからもうすぐ2週間が経つが、未だに値札を付けたままなのは、それも含めて楽しみたいから。もしも忘れてしまった時、「そう言えばこんな値段だったな」と思い出したい。
この30年前の格安カメラに、有効期限が切れて10年以上経過したフィルムを詰め込む。
そもそもフィルムに馴染みの無い人は有効期限があること自体知らないかもしれない。簡単に説明しておくと、フィルムには薬品が塗られていてそれが時間の経過と共に劣化していく。そうなると写真の明るさや色合いが正常に表現されなくなる。
「そんなの、楽しみでしかないじゃないか」
なんて、ワクワクしながら撮り歩いた記録を報告したい。
膜のようなものが一枚余計にあるような、もやっぽい写真が撮れた。粒状感も強くてザラザラしている。
いわゆる"期限切れフィルムの特徴" が出てくれた。
決して綺麗な写真ではないが、どこかドラマチックに感じてしまう。
掴み所がない夢の中のような風景を、そのまま表現できてしまう魔法なのかもしれない。
特別なメッセージを込めて、シャッターを押せるほどの技術は持ち合わせていない。
けれども、古くなったフィルムを使えば、それだけでメッセージ性の様なものを表現出来てしまうのが面白い。
街も船も黒く潰れてしまっているが故に、水面の静けさや遠くの空が焼けている様子が際立つ。ハッキリと主張するのではない。淡く儚く。
街灯。暗くなったので帰ろう。
楽しい。控えめに言って楽し過ぎる。思い通りにならない所がたまらない。
デジタルと違って、フィルム写真は現像してみなければどのように撮れているかが分からない。それに加えて、期限が切れたフィルムを使うことで、さらに予想がつかなくなる。
予想外の楽しみを味わえるという点で、ハードオフとフィルムカメラ、そして期限切れフィルムというのはとても似ていると思う。